午前1:
・座学「個別指導方式とグループ学習方式の違い、ファイルサイズ・接頭辞について」
・ハードウェアの操作「マウスの操作」
本日受講の方は、以前グループ学習方式のパソコン教室に通っておられた方。
グループ学習方式とは、大人数で同じことを一斉に習う方式ものを指します。
メリットは、大人数が受講するのでコストが低く抑えられること。
デメリットは、学びたいことが学べられるとは限らない・クラスのレベルが自分と異なるとついていけない・待ち時間が多くなるといったところでしょうか。
特にパソコン教室の場合、後者のデメリットが謙虚に現れます。
例えば「年賀状を作りましょう」というカリキュラムの場合、まずキーボードで文面を入力するのですが、いきなりこの段階で差が出てきます。
計測したことがある方は少ないと思いますが、同じ時間で入力できる文字数は想像以上に差があります。
200文字を入力するのに1分以内で入力できる人から10分以上かかる人まで様々です。
文字入力後にその文字列を装飾したりするのですが、ここで早い人は待ち時間が発生してしまします。
遅い人はそもそもローマ字やキーボードの入力ルールを覚えていないから遅いのに、早い人に気を使って質問しないという悪循環が発生します。
(子供なら「わからーん!」と大声を上げるかもしれませんが、大人はしませんね。)
本当は「年賀状を作りましょう」の前に「文字入力のルール」や「キーボードの配置」をしっかりと覚える必要があるのですが、「年賀状を作る」という命題に迫られている人はそこが見えていません。
そもそも、経営者目線だと「文字入力のルール」や「キーボードの配置」なんて授業をやっても、集客できなそうな気がしちゃうんですよね。
結果「キーボードが遅いから」という理由で教室に通わない、なんて本末転倒な事象が起きてしまいます。
マンツーマンなら上記の問題は起こりませんが、講師の生活費を受講生が一人で負担する形になります。
要は受講料が割高になります。
仮に支払う方がおられても、その方が卒業したら講師はまたゼロから受講生を探す必要があります。
ということで、これらのいいとこどりをした方式が「個別指導方式」です。
講師一人に対し、受講生は数人~数十人。
講師ではなくテキストを読んで操作を実践し、読んでもわからないときに講師に質問する、というスタイルです。
そして読んでいるテキストは全員違います。
ある方は文字入力、ある方はネット通販、ある方は町内会会計集計。。。
ページをめくるペースもキーボードの入力するペースも全員バラバラです。
そもそも違うテキストを進めていますので、周りに気を使うこともできません。
自分がわかれば次のページに進み、わからなければ講師に質問する、それだけです。
ほかの人はどうでもいいんです(言い方アレですが)。
これならコストも安く、自分の好きなことが学べます。
周りのペースに(遅くても早くても)合わせる必要はありません。
一人一人の能力も経験も目標も環境も違う社会人の勉強にはぴったりの学習方式です。
ではこの方式がなぜ学校などの公教育でできないのか。
この理由は簡単で、卒業の時期が設けられているからです。
小学校なら6年で、中学校なら3年ですべてのカリキュラムを終える必要があります。
教室の席に座って6年なり3年なり経過するだけで「小・中学校卒業」という名前がもらえます。
身に着けているかどうかは二の次です。
しかも「学年」という概念があるので、小学校2年目に掛け算が身につかなかった方は、そのまま割り算の授業に参加することになります。
身につかなかっただけでなく、例えば体調不良で休んで授業にいなかったり、たまたま寝不足で頭に入らなかったりしても同様です。
本当なら3年生になっても掛け算が身についてない子には掛け算をさせればいいのですが、そうなると学級崩壊一直線ですね。
また、割り算を習わせたい親御さんからはクレームも入るでしょう。
ということで、日本人の根底にはグループ学習こそ唯一の学習法式、そしてついていけない=周りに迷惑をかけるという意識が根強く残ってしまっています。
この意識をぬぐい取るには相当な根気が要りますね。
ただ、説明すればかなりの割合で納得いただけます。
そして実際に教室にきて授業を受ければいかに周りはわがままにマイペースに(笑)学んでいるか納得いただけますね。
ちなみに私も外部講師で期間の決まったグループ講習で教えることもあります。
タイピング速度の個人差は、当日にならないとわかりません。
そんな時は難しめの練習問題を用意しておき、入力が早く終わった方にはそれをやってもらいます。
早い人は待ち時間が無駄になりませんし、遅い人は「待たせている感」が減ります。
時々遅いのに早い人用の練習問題をやりたがる人がいますが、そんな方には練習問題を持ち帰らせて自宅でしてもらってますね。